理不尽な上司への対応は正しく対処しないとエスカレートします。もし、あなたが今!理不尽な上司の下で働いているのであれば、理不尽上司の特徴を把握して、理不尽な攻撃の的にならないためにも正しく対処しましょう。
この記事では、理不尽な上司とうまく付き合う方法と対処法をご紹介します。
基本的な対処法
上司に正論を述べて勝つことは諦める
「上司に正論を述べて勝つことは諦める」これだけ聞くと正義は勝てないの?正論を言ってはダメなの?と思われるかもしれませんが、正論だけで解決しようとしてはいけません。
正しいことを貫き通すことで、どこかで傷ついている人がいるかもしれません。正義も使い方を間違えると、どちらが正義か分からなくなることもあります。
また、あなたは会社組織に属しており、上司が部下へ指示命令をするという、組織の指揮命令系統はどうしても崩せないのです。ましてや、理不尽な上司に正義は通用しません。
上司を否定するな
上司からの指示に対して鼻っから否定すると、上司もこれまで経験してきた自負やプライドがありますから、丸く収まる話も炎上してきます。
まずは上司からの指示や意見に対しては一旦は受け入れる。それから、自分の意見を提案という形で説明する方法をとりましょう。
理不尽な上司の例と対処法
理不尽な上司の例を上げるとキリがないと思います。色々な体験をされていると思いますが、理不尽な上司の行動には特徴がありますので、その特徴を見極めて対処することで、ストレスをためない会社生活ができるのではないかと思います。
参考 嫌われる上司の特徴「ベスト10」パワハラ・モラハラ心当たりはない?
指示に一貫性がない上司
仕事の指示がコロコロ変わり困惑したことはないですか?例えば、以下のような事例です。
資料を今週の金曜までに作ってくれ
あなたは、上司から金曜までと言われているので、金曜までに資料を作ろうとしているにも関わらず、理不尽上司の登場です。
水曜や木曜に「頼んでいた資料はまだできないの?遅いな!いつになったら出来るんだ!」
自分が指示した金曜までということを忘れたり、待てなかったり、自分が出した指示以外のことをしているのを見て「俺の指示した資料作成はせずに他の仕事をしている!」と思うことから期限の金曜前に怒ってしまう。
対処法
そのような上司には、指示を受けた場合に「この資料は金曜まででいいですね?」と確認を取りましょう。
確認をとったら、その場で手帳などにメモを取る姿を見せるのも効果的です。
また、金曜までの間に「昨日は金曜までと言われていましたが、変更はありませんか?」と角が立たないようにさり気なく昨日の指示を明確にしておきます。
それ以外にも「業務報告」や「スケジュール進捗状況」などをメールで上司へ報告する場合に、今後のスケジュールとして「○○資料作成(○○課長指示 金曜まで)」と追記しておくと何よりの証拠にもなります。
そもそも、あなたと上司の二人だけの間で完結しているので振り回されるのです。その上司の更に上の上司や同僚や仲間の関係者も宛先に含めると効果があります。
上司の上司へ業務報告などを報告すると評価がいいという意見も多くあります。
※必要以上にあまり関係のない人まで宛先に含めると迷惑になりますので注意が必要です。
ポイント
- 指示の内容をその場で確認する
- メモをとる
- 途中で指示を再確認する
- 業務報告を利用して指示内容を明記する
仕事の指示がコロコロ変わる
「A君、どうしても急ぎの案件だから、他の仕事は一切やめて、この資料を夕方までに作成してくれ」と言った2時間後に「A君、昨日頼んでいた予算書はどうなってる?部長が見たいと言われてるから早く作って」
また、1時間後に「取引先の○○専務が来月の発注見込みを提示してきたから生産できるか今すぐ確認してくれ」
「夕方までの急ぎの資料はどうしますか?」
「あー、そっか。それはもうしなくていい。それは他に頼むから、取引先の案件をしてくれ」
はあ??となりますね。
今、急ぎの仕事だから他の仕事は一切やめて、夕方までに作れと言ったじゃないか!予算書も早く出せって言ってるじゃないか!
こんな理不尽な上司にストレスを溜め込んでいませんか?このような理不尽な上司にはこんな対応があります。
対処法
理不尽な上司のために、あなたや回りが振り回される必要はありません。
こんな上司に付き合っていると時間と労力を無駄に費やしていしまいます。
その対処方はズバリ「無視する」です。
無視と言っても、指示されたことを無言で無視するというわけではなく、指示されたことに対しては「分かりました」と形式上は答えておきます。
その間は別の仕事をするのです。
東京大学経済学部の高橋伸夫教授によると「できる社員は上司の指示をやり過ごす」ことだそうです。
このような状況にある人は、以下の高橋伸夫教授が書かれた本を参考にしてみるといいですね。
やり過ごしてきた人の60%は何ら問題なかったことが分かっています。
そのような理不尽な上司の指示を全て守っていたら振り回されるだけです。
仕事を丸投げ後にいちゃもんを付ける
何の方針もなく、はっきりした指示もなく「この案件任せた」と丸投げする上司。
必死に考え、出来上がったものに対して「俺が考えているものと全然違う」「こんなこともできないのか」と振り出しに戻されてしまう。
任せた!と丸投げしたにも関わらず後からいちゃもん付けてくる上司がいます。
普通は、方針や方向性など具体的な内容を説明して、部下にイメージさせてから仕事を指示するのが当たり前なのですが、理不尽な上司の場合、自分の方向性が決まってなく、何も考えていないダメ上司なのですから、あなたが仕上げた仕事を見てから初めて考えるのです。
形がないものに対して考えるよりも、形ができたものに対してケチをつけるのは簡単です。
如何にも初めから考えていたと言わんばかりのケチを付けてきます。
対処法
必ず後から「あーでもない、こーでもない」といちゃもんを付けてきますので、丸投げされる時に内容や方向性、進め方の確認を行いましょう。
その後、プロセスや方向性などの骨格を作ったら、早い段階でこの進め方でいいのか確認を取ります。
その時、殆ど本気で聞いてくれず「それでいいよ。任せるといっただろ」などの態度でしたら、メールで関係者や上司の上司も含め「指示内容」「企画書の進め方」といった報告をしておきます。
上司の上司もいない、メールなど送れる環境にない場合は、仲間や関係者にも進め方の相談をしてみましょう。
ポイント
- 最初に内容や方向性を確認する
- 骨格やたたき台ができたら確認する
- 進め方の承諾を得たらメモやメールで報告を入れておく
- 最後に報告するのではなく、随時確認を取りながら進める
このようなスタンスで仕事を進めていると、できる社員になっていきます。
5年後、成長した自分を振り返った時に「あの理不尽な上司のお陰で仕事の進め方を勉強させられた」と思える日が来るかもしれません。
責任転換する
理不尽な上司にありがちな、後から立場が悪くなったら「そんな指示はしていない」「そのような意味で言っていない」「お前が勝手にやった」など責任を擦り付ける。
理不尽な上司とは、もともと優柔不断なタイプが多く、指示をするときや会議のときに白黒はっきりしたことを言わない、言わばOKともNGとも取れるような言い方をする。
「君たちがそう言うなら、それでもいいけど」
「それはいいかもしれないな」
「どっちでもいいぞ」
このようにイエスなのかノーなのかどちらにも取れる言い方をして、後から責任逃れをできるようにします。
ようは、自信がないのです。
「それはいいかもしれないな。よし!今度の○○の開幕はB君の企画でいくぞ。みんな3ヶ月後の開幕に向けて頑張ろう。○○係長、役割分担を決めて開幕の2週間前に終わるようなスケジューリングしてくれ。また、週に1回は進捗会議を開催しよう」
普通の上司でれば、この例のような「それはいいかもしれないな」の後にモチベーショを上げるような言い方や、最後まで責任を取るようなことも追加で付け加えます。
こんな指示をされたら「はい」って言いたくなりますね。
しかし、こんな上司ばかりではありません。みなさんは上司を選べないのです。
こんな理不尽な上司の場合は「僕はその場で了承してくれたと思っていたのですが・・・」と後悔しても後の祭りです。
どう言っても無駄なのです。
対処法
上司からの指示や会議などの席でも指示を受けた場合、上司との話し合いの場、判断を仰ぐときは、必ず確認をとることです。
最後に確認ですが、私の担当は、チケット販売代理店への交渉を○○までに行うことと、チケット制作を○○までに完了させておくことで宜しいでしょうか?
- 仕事の内容
- 仕事の期日
最低限、この2つは確実に確認しておきましょう。
その後に、以下を行っておくと良いでしょう。
- その場でメモ(手帳やパソコン)を取る
- 議事録を残す
- まとめた内容や議事録をメンバーも含めてメールしておく
理不尽上司には、言った!言わない!の水掛け論になりかねません。確認を行い、記録に残すことが大事です。
議事録には、日付、出席者、会議室名、テーマ、担当者と期限は必ず入れるようにしましょう。
これだけあれば、簡単に「言った言わない」の水掛け論になることはないでしょう。
上の意見で指示が一転する
これはある程度仕方のないことではあります。
あなたも会社の組織に属しているのですから、縦社会なのです。
しかし、理不尽上司が、その上の上司に媚を売り、ヘラヘラして毎回、毎回指示や方針が変わるのはやってられません。
上司の機嫌ばかりを伺ってごますり上司の下では効率的に仕事が回りませんよね。
最終段階に入った仕事が振り出しにもどされたのでは、たまったもんじゃありません。
上司:丸山課長
上司の上司:山田常務
山田常務:丸山課長、先日、娘がテニスを始めたんだよ。
丸山課長:それはそれは、運動されることはいいことですよね。
・・・・
山田常務:次のイベントでは何するんだっけ?
丸山課長:サッカー用品を売る予定ではいますが、正式には決まっていません。テニス用品の販売も可能です。
山田常務:そっか。テニス用品の販売はできるかね?
丸山課長:もちろんですよ。何とでも変更できます。早速、イベント内容は変更します。
山田常務:そっか。無理を言ったみたいですまないな。
丸山課長:いえいえ、全く問題ありません。専務の娘さんのためなら
丸山課長:(部下を集めて)みんな聞いてくれ。次のイベントはテニス用品の販売にしてくれ。
部下:もう既に販売店も決まり、価格や会場の位置まで詳細に決めてるんですよ。もう無理ですよ。
丸山課長:山田常務の指示だから仕方ない。今から切り替えてくれ。
こんな理不尽な内容で切り替えられたらたまったもんじゃない!
しかし、それが現実にあるのです。理不尽なことは多々あります。どうあがいても無駄なのです。
対処法
ここで必要以上に反論しても事が大きくなるだけで避けましょう
全員この仕事を完璧に成功させるために頑張ってきたのです。 足が棒になるくらい販売店を歩き回っています。
今回は、丸山課長の立場を立ててイベント内容を切り替えますが、次からはもっと早く言っていただくようにお願いします。みんなの努力が水に泡になってしまうのだけは避けて頂きたい。お願いします。
次から、このような事がないように若干の抵抗にはなりますが、意志を伝えます。
そう甘くはないかもしれませんが、少しは考えてくれるでしょう。
または、どうしても間に合いそうにない場合や、顧客に迷惑がかかるような場合には
丸山課長、山田常務は本気でイベント内容を変更させようとされたのでしょうか?今の時期に内容が決まってなくイベント内容を変更できるとは思われていないのではないでしょうか?
内容も大詰めで顧客にも迷惑がかかり我が社の信用にも影響しますなど、うまくいって説得できないでしょうか?
そうだな。頼んでみるか。確かに今の時期にイベント内容を変更できるような仕事の進め方では逆に「今の時期に何も決まってないなんてどういうことだ!イベントは間近なんだぞ!」って言われそうだよな。
なーんてことになるかもしれません。
上司に反発ではなく、上司をうまく使って下さい。使われているように見せかけて、実は上司を操っていると思えれば気が楽になります。
まとめ
理不尽思うことは会社生活以外にも多々あります。
しかし、理不尽なことが起きて、毎回反発していると身が持ちません。
うまく対処することでストレスを抱えることなくすり抜けられるのです。
教訓として最後にまとめてきます。
- 上司に勝とうと思うな
- 上司に反発(否定)しても得しない
- 指示は確認をとる
- 指示はメモをとる
- 指示内容をまとめてメールでメンバーにも配信する
- 議事録をとる
- 要所、要所で確認を怠らない
- やり過ごすのも一つの手
- 反論ではなく提案する
この方法を身につければ、理不尽上司への対応ではなく、ビジネスマンとしてのスキルもアップします。
理不尽上司への対処法が、実はあなたはできる社員に成長していっているのです。
仕事のミスも減り、上司に認められる存在、信頼される人になるのです。
是非、試してみて下さい。
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