1. この記事でわかること
- 東京証券取引所の取引時間と、休みの日
- 成行注文と指値注文の違い
- 約定とは何か、注文が優先される順番
- 値幅制限、受渡日、NISAの年間投資枠との関係

株って、いつでも買えるの?注文の出し方もよくわからなくて。

株は、取引所が開いている時間に、売買が成立する仕組みなんだ。注文の種類と、時間のルールを、順番に見ていこう。
2. 東京証券取引所の取引時間
取引時間(2024年11月5日から)
JPXによると、東京証券取引所の取引時間(売買立会時間)は、次のとおりです。
| 時間帯 | 呼び方 | 時刻 |
|---|---|---|
| 午前 | 前場(ぜんば) | 9:00〜11:30 |
| 午後 | 後場(ごば) | 12:30〜15:30 |

2024年11月5日に、取引システムが新しくなり、後場の終わりが15:00から15:30に、30分延びました。前場の時間は、変わっていません。注文の受付は、午前の立会が始まる前の8:00から、午後の立会は、12:05からです。
大引けの仕組み(クロージング・オークション)
後場の最後は、「クロージング・オークション」という方法で、終値が決まります。
- 15:25に、通常の売買(ザラバ)が終わる
- そのあと5分間、注文を受け付ける(この間は、売買は成立しない)
- 15:30に、注文をまとめて売買の値段を決める(板寄せ)
休みの日
東京証券取引所は、次の日は、取引が行われません。
- 土曜日、日曜日
- 国民の祝日、休日
- 1月1日〜3日
- 12月31日
【予定】ランダムクローズ方式の導入
JPXは、大引けの板寄せの時刻を、一定の範囲で、毎営業日ランダムに決める「ランダムクローズ方式」を、2027年10月12日に導入する予定としています。それまでは、現行のクロージング・オークションです。予定は、変わることがあります。最新の内容は、JPXの発表で確認してください。
【予定】呼値の単位の見直し
JPXは、値段の刻み(呼値の単位)の決め方を、2027年3月1日から、銘柄ごとの流動性にもとづく方法に変える予定としています。現在の刻みは、銘柄と値段の水準によって異なります。
証券会社の受付時間
注文の受付時間は、証券会社によって違います。取引所での売買は、上の立会時間に成立します。立会時間外の取引(PTS・夜間取引など)は、この記事では扱いません。
3. 注文の基本:成行と指値
成行注文
成行(なりゆき)注文は、「値段はいくらでもよいので、買いたい・売りたい」という注文です。JPXの用語集の説明は、次のとおりです。
- 売買を、早く確実に成立させたいときに使われる
- ただし、出来高の少ない銘柄や、値動きの大きいときは、意外に高い(安い)値段で、売買が成立することがある
指値注文
指値(さしね)注文は、値段を指定する注文です。
- 買い指値:「○○円以下で買いたい」
- 売り指値:「○○円以上で売りたい」
JPXの用語集の例では、1,500円の買い指値は、「1,500円以下で買ってほしい」という意思表示です。1,499円で買えるなら、1,499円で成立します。いまの値段が1,501円なら、1,500円以下になるまで、買わずに待ちます。
2つを比べる
| 項目 | 成行注文 | 指値注文 |
|---|---|---|
| 値段 | 指定しない | 指定する |
| 成立のしやすさ | 成立しやすい | 指定の値段になるまで、成立しない |
| 注意点 | 思ったより高く(安く)成立することがある | 成立しないまま、時間がすぎることがある |

どちらが良いか、ではなく、何を優先したいか(確実に成立か、値段か)で、選びます。
4. 取引所で使える、そのほかの注文
JPXの売買制度の説明では、執行の条件をつける注文として、次のものがあります。
- 寄付条件付注文:前場または後場の「寄付き」で、執行する
- 引条件付注文:前引け、または大引けで、執行する
- 不成(ふなり)注文:通常の売買で成立しなければ、引けに成行で執行する
- IOC注文:指定した値段か、それより有利な値段で、すぐに成立させる。残りは失効する
逆指値注文について
逆指値は、株価が、自分の決めた値段以上になったら買う、以下になったら売る、という注文です。JPXの用語集には、一般的には、トレンドが変わった場合や、損失を限定する場合に使われることが多い、と書かれています。
ただし、逆指値は、東証の注文の種類には、含まれていません。証券会社が提供している機能で、取り扱いや使い方は、会社ごとに違います。使えるかどうかは、利用する証券会社で、確認してください。
5. 約定とは
約定(やくじょう)は、売買が成立することです。成立した日を約定日、成立した値段を約定値段といいます。
注文の優先順位
取引所の売買は、競争売買です。注文は、次の順番で優先されます(JPXの説明)。
- 1価格優先の原則:買いは高い値段、売りは安い値段の注文が、優先される。成行注文は、値段を指定した指値注文より、優先される
- 2時間優先の原則:同じ値段の注文では、先に出した注文が、優先される
板寄せとザラバ
- 板寄せ方式:立会が始まるとき、終わるとき、売買が中断したあとの再開のときなどに、売り注文と買い注文から、合う値段を求めて、1つの値段で成立させる方法
- ザラバ方式:始値が決まった後の、立会時間中の方法。価格優先・時間優先で、合うものから順に、成立させていく
寄付と引け
- 寄付(寄り付き):前場・後場の、最初の売買。そのときの値段が始値
- 引け:前場・後場の、最後の売買。特に、後場の引けを大引け、前場の引けを前引け
6. 1日の値動きの幅:値幅制限
取引所には、1日の値動きの幅を制限する決まり(値幅制限)があります。基準になる値段(前日の終値など)の水準に応じて、上限(ストップ高)と下限(ストップ安)が決まります。
具体的な幅は、基準値段の水準ごとに、JPXの表で定められています。一般に、基準値段が高いほど、制限の幅は大きくなります。
また、値動きが続いた場合は、翌営業日から、制限の幅が臨時に拡大されることがあります。正確な表は、JPXのページで確認してください。
7. 約定したあと:受渡日
株式の売買は、約定日を含めて3営業日目に、株と代金を受け渡します(T+2)。証券会社が営業している日だけが、数えられます。
- 2019年7月16日の約定分から、3営業日目になりました(それ以前は4営業日目)
- 受渡しをさらに短くする「T+1」の検討が、行われています。ただし、実施の時期を決めた公式の資料は、確認できませんでした。現在は、T+2です
8. NISAの年間投資枠と、受渡日
NISAの年間投資枠は、買った株などの「受渡日」が、12月31日以前であることが、条件とされています(日本証券業協会)。約定日と受渡日の間隔は、商品によって違います。
東証は12月31日が休みです(JPX)。そのため、条件を満たすには、年内の早めの約定が必要になる場合があります(日本証券業協会の条件と、JPXの休業日から整理したものです)。年末に、枠を使い切りたい場合は、受渡日に注意してください。くわしくは、利用する証券会社の案内で、確認してください。
枠の計算の仕方
年間投資枠は、取引ごとの「購入時の単価 × 数量」を、年間で合計して計算します。購入手数料は、含まれません。
9. 注文を出すときの、指示項目
日本証券業協会の説明では、注文を出すときには、次の項目を指示します。
- 銘柄と数量(売買単位に注意)
- 値段(成行、指値など)
- 注文の有効期限(本日限り、今週限りなど。証券会社によって、選べる内容は違います)
- 市場
買うときは、概算の代金を、取引口座に入金しておく必要があります。
10. ETFやREITの注文
ETFは、成行注文と指値注文が使えます。J-REITも、指値・成行が可能で、売買のルールは、株式とほぼ同様です(記事27)。
11. 注文画面で、見ておくところ
証券会社の注文画面では、おおむね、次の項目を確認します。画面の作りは、会社ごとに違います。
- 銘柄(名前と、銘柄を区別するコード)
- 買いか、売りか
- 数量(売買単位の、整数倍か)
- 成行か、指値か(指値なら、値段)
- 有効期限
- NISA口座(成長投資枠)で買う設定になっているか
特に、買う・売るを、取り違えないことと、数量の桁を、間違えないことは、注文を確定する前に、もう一度確認してください。注文を確定すると、成立した分は、取り消せません。
12. 注文する前の、確認リスト
- 1取引時間内か(前場・後場。証券会社の受付時間も確認する)
- 2銘柄と、数量(売買単位)は、合っているか
- 3成行か、指値か。値段は、合っているか
- 4注文の有効期限は、いつまでか
- 5必要な金額が、口座に入っているか
- 6NISAの成長投資枠で買うか、確認したか(年間投資枠の残り)
13. よくある質問
夜でも、株は買えますか?
取引所の売買は、立会時間に成立します。注文の受付時間は、証券会社ごとに違います。立会時間外の取引(PTS・夜間取引など)は、この記事では扱っていません。
成行注文で、思わぬ値段になることはありますか?
あります。JPXの用語集にも、出来高の少ない銘柄や、値動きの大きいときには、意外な値段で成立することがある、と書かれています。
指値注文を出したのに、買えませんでした
指定した値段に、市場の値段が届かなかった場合、成立しません。注文の有効期限の選び方は、証券会社によって違います(日本証券業協会の説明)。期限の扱いは、証券会社の案内で確認してください。
注文は、取り消せますか?
成立した注文は、取り消せません。成立していない注文の、取消しや変更の可否と方法は、証券会社の画面で確認してください。
14. まとめ
- 東証の取引時間は、前場9:00〜11:30、後場12:30〜15:30(2024年11月5日から)
- 成行は、値段を指定しない注文。指値は、値段を指定する注文
- 約定は、売買が成立すること。価格優先、時間優先の順
- 値幅制限があり、臨時に拡大されることもある
- 受渡しは、約定日を含めて3営業日目(T+2)
- NISAの年間投資枠は、受渡日が12月31日以前であることが条件
- ランダムクローズ(2027年10月12日予定)や、T+1化の検討は、「予定・検討中」
次の記事29では、配当金と税金、外国の株式の税金を説明します。
※この記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品をおすすめするものではありません。投資の判断はご自身で行ってください。制度の最新の内容は、金融庁・国税庁の案内で確認してください。 内容は2026年11月時点の情報です。

