1. この記事でわかること
- ETFとは何か、どんな仕組みか
- 通常の投資信託との違い
- ETFの注意点(価格のずれ、分配金など)
- J-REITとは何か

ETFって、投資信託と何が違うの?名前もよく似ているよね。

ETFは、「株みたいに売買できる投資信託」と考えるとわかりやすいよ。違いを、表で整理してみよう。
2. ETFとは
ETFは、金融庁の説明では、「東京証券取引所などの金融商品取引所に上場している投資信託」です。日本語では、上場投資信託といいます。
JPXの説明では、ETFには、おもに2種類あります。
- インデックス連動型:株価指数や、金価格などの指標に、連動することを目指す
- アクティブ運用型:連動対象の指標がない
インデックス連動型は、たとえば、日経平均株価に連動するETFを買うと、日経平均に採用されている225銘柄を持つのと、同じ効果が期待できる、とJPXは説明しています。
3. 通常の投資信託との違い
金融庁のスライドにある比較を、整理します。

| 項目 | ETF | 一般的な投資信託 |
|---|---|---|
| 売買できる場所 | 原則、どの証券会社でも売買できる | 各商品の販売会社(証券会社・銀行・郵便局など) |
| 買う・売るときの価格 | 市場での時価(リアルタイムで変動) | 基準価額(1日1回算出) |
| 信託報酬 | 低い傾向 | 高い傾向 |
価格の決まり方が違う
通常の投資信託は、申込みの時点では、買う価格がわからない「ブラインド方式」でした(記事20)。ETFは、株式と同じように、市場で、その時の価格(時価)で売買します。画面に出ている価格を見て、注文を出せます。
JPXの説明では、ETFの発注には、成行注文と指値注文が使えます。取引できる時間は、取引所の立会時間です(記事28)。
信託報酬の水準について
金融庁のスライドは、ETFの信託報酬は「低い傾向」としています。ただし、個別の商品ごとに違います。JPXが載せている比較表の数値は、2017年8月時点の集計で、古いため、この記事では数値を書きません。最新の数値は、各ETFの管理会社の資料や、証券会社の画面で、確認してください。
4. ETFの仕組み
JPXの説明にある、ETFの仕組みを、簡単に整理します。
- 投資信託の運用会社(委託者)が、ETFを設定する。これに応じるのは、機関投資家や、指定参加者(証券会社)が中心です
- 逆に、ETFの受益証券を、現物の株式のバスケットと交換することを、交換といいます
- 個人などの一般の投資家は、東証のETF市場を通じて、小口で売買します
- 外国のETFは、日本国内で、設定や交換ができない場合があります
運用の方法には、株式のバスケット型、ファンド・オブ・ファンズ型、商品現物型などの、いくつかのタイプがあります。
5. ETFの注意点
JPXの「投資のリスク(ETF)」の説明から、整理します。
市場価格と基準価額が、ずれることがある
ETFにも、基準価額(1口あたりの純資産額)があります。各管理会社が、基準価額・純資産総額などを、日々公表しています。一方、売買される市場価格は、需給で動くため、基準価額と一致しない場合があります。
次のような場合に、ずれが広がることが、あります。
- 海外市場の休場などで、設定・交換が止まっているとき
- 配当落ちによる、一時的なずれ
- 分配金の「希薄化・濃縮化」(決算の時点の口数によって、1口あたりの分配金が変わること)によるずれ
流動性のリスク
取引量が少ないETFは、見込んでいる価格で売買できないことがあります。
為替の影響
東証のETFは、すべて円建てで取引されます。JPXの説明では、為替変動も、リスクのひとつとして挙げられています。
分配金について
JPXの説明では、ETFは、決算のときに、受け取った配当金などを、分配金として分配します。決算の時点の発行済口数に応じて分配されるため、口数が変わると、1口あたりの分配金が変わる(希薄化・濃縮化)ことがあります。
分配金は、課税の対象です。NISA口座なら、この課税が非課税になります。ただし、株式数比例配分方式を選んでいる必要があります(記事29)。
レバレッジ型・インバース型のETF
ETFの中には、「レバレッジ型」「インバース型」と呼ばれるものがあります。JPXは、銘柄の一覧と、リスクの説明を、別に掲載しています。
成長投資枠で、対象になるかどうかは、記事25で見たとおり、「デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等は除外」という決まりと、資産運用業協会のリストで、確認します。どの商品が対象外かの具体的な線引きは、公式の資料では、確認できませんでした。
6. J-REITとは
J-REITは、不動産に投資する、上場の商品です。JPXのガイドブック(2026年8月版)の説明は、次のとおりです。
- 投資法人が、新しい投資口の発行や、借入などで資金を集める
- その資金で不動産を取得し、賃貸や売却による収益を、投資家に分配する
- 投資家は、間接的に、不動産に投資することになる
仕組みのポイント
- 上場している銘柄は、すべて会社型(投資法人型)です。投資法人は「器」で、運用や管理は、資産運用会社などに委託が義務づけられています
- 投資家は、投資口を取得して投資主になり、決算期末の投資主に、分配金が支払われます
- 東証のJリート市場で売買でき、指値・成行が可能です。売買のルールは、株式とほぼ同様です
分配金の決まりがある
一定の要件を満たすと、利益の配当を、投資法人の損金に算入でき、法人税の負担を実質的に避けられます。その主な要件の1つが、配当可能利益の90%超を、投資主に分配することです。内部留保が制限されるため、新しい物件を買うときは、増資などで、外部から資金を集める必要があります。
金融庁は、REITについて、「投資家から集めた資金で不動産への投資を行い、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買益を原資として、投資家に配当する商品」と説明しています。不動産そのものへの直接投資は、NISAではできません。
市場の大きさ
JPXのガイドブックによると、2026年3月末現在で、上場は58銘柄、時価総額は約16.1兆円です。数字は、変わります。
7. NISAでのETF・REIT
国税庁の表のとおり、次のようになっています。
| 商品 | 成長投資枠 | つみたて投資枠 |
|---|---|---|
| ETF | ○ | ○(一部のみ) |
| REIT | ○ | × |
分配金を非課税にするには、株式数比例配分方式の手続が必要です(記事29)。
8. ETFと投資信託を、比べるときの視点
| 視点 | 確認すること |
|---|---|
| 買い方 | 市場の時間中に、価格を見て注文したいか。申込みの後に価格が決まる形でもよいか |
| 費用 | 信託報酬(運用報告書・目論見書、管理会社の資料で確認) |
| 取扱い | 利用する証券会社で、買えるか |
| 積立 | 積立設定に対応しているか(金融機関によって違う) |
| 価格のずれ | 基準価額と市場価格の差の、状況 |
どちらが良いかは、決まっていません。自分の買い方や、目的に合う形で、選びます。
9. ETFを買うまでの流れ
ETFは、株式と同じように、証券会社の口座で売買します。大まかな流れは、次のとおりです。
- 1証券会社で、NISA口座(成長投資枠)を使えるようにしておく(第3章)
- 2買いたいETFの名前と、連動する指標を確認する
- 3取引所の立会時間に、成行か指値かを選んで、注文を出す(記事28)
- 4約定(売買の成立)したら、約定日を含めて3営業日目に、受渡しになる
- 5持っている間は、決算のときに、分配金が出るETFもある
NISAの成長投資枠で買う場合は、年間投資枠(240万円)の、残りも確認します。
10. ETFを選ぶときの、確認項目
ETFを選ぶときに、確認する項目を、整理します。どれが良い、という基準は、公式の資料では示されていません。項目を、そろえて見るためのものです。
| 確認項目 | 見る内容 | 確認する場所 |
|---|---|---|
| 連動する指標 | 何に連動するか(株価指数、金価格など) | 管理会社の資料、JPXの銘柄ページ |
| 運用のタイプ | インデックス連動型か、アクティブ運用型か | 同上 |
| 費用 | 信託報酬など | 管理会社の資料 |
| 市場価格と基準価額 | 差が大きくなっていないか | JPX、管理会社のサイト |
| 取引の多さ | 取引量が少なくないか(流動性) | 証券会社の画面 |
| 分配金 | 決算の時期と、分配の方針 | 管理会社の資料 |
| NISAの対象か | 成長投資枠の対象になっているか | 資産運用業協会のリスト、証券会社 |
特に、何に連動するのかは、まず確認したい点です。名前が似ていても、連動する指標が違えば、値動きも違います(記事22)。
11. ETFと株式の、似ている点と違う点
| 項目 | ETF | 個別の株式 |
|---|---|---|
| 売買の方法 | 取引所で、時価で売買(成行・指値) | 同じ |
| 持っているもの | 複数の資産をまとめた投資信託 | 1つの会社の株 |
| 配当・分配金 | 決算時に分配金が出るものがある | 会社の判断で配当が出る |
| 信託報酬 | かかる(低い傾向) | かからない |
売買のしかたは、株式とほぼ同じですが、持っているものが、複数の資産をまとめた投資信託である点が、大きな違いです。
12. よくある質問
ETFは、積立で買えますか?
証券会社によって、ETFの積立に対応しているかどうかが、違います。利用する証券会社で、確認してください。
ETFの値段は、どこで見られますか?
市場価格は、東証の銘柄ページや、証券会社の画面で見られます。基準価額は、各管理会社のサイトなどで、公表されています。
ETFなら、損をしませんか?
いいえ。指数に連動するETFは、指数が下がれば、同じように下がります。元本を下回る可能性は、あります。
REITは、不動産の値段そのものに連動しますか?
REITの価格は、市場の需給で決まります。不動産の価値や、収益の見通しなど、さまざまな要因で動きます。
13. まとめ
- ETFは、取引所に上場している投資信託。市場の時間中に、時価で売買できる
- 通常の投資信託は、基準価額(1日1回算出)で売買する
- ETFは、市場価格と基準価額が、ずれることがある
- 分配金は、課税の対象。NISAなら、手続をすれば非課税
- J-REITは、不動産に投資する上場商品。配当可能利益の90%超を分配する決まりがある
- 成長投資枠では、ETFもREITも、対象になる
次の記事28では、株やETFの注文方法と、取引時間を説明します。
※この記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品をおすすめするものではありません。投資の判断はご自身で行ってください。制度の最新の内容は、金融庁・国税庁の案内で確認してください。 内容は2026年11月時点の情報です。

