個別株の基礎|配当・株主優待・指標(PER・PBR・ROE)の見かた

個別株の基礎|配当・株主優待・指標(PER・PBR・ROE)の見かた

1. この記事でわかること

  • 配当金とは何か、配当利回りの意味
  • 株主優待の基本と、確認できていないこと
  • 売買単位(単元株)と、配当を受け取る日の決まり
  • PER・PBR・ROEなどの指標の「意味」
Mikikko
Mikikko

個別株って、配当とか優待とか、言葉がいっぱい出てくるよね。

Muttakko
Muttakko

最初は、言葉の意味だけ押さえれば大丈夫。この記事では、「どの株がいい」という話はしないよ。数字の読み方を整理するだけだよ。

2. 株を買うと、何が得られるのか

会社の株式を買うと、あなたは、その会社の株主になります。株主には、おもに次のような権利があります。

  • 会社の利益の分配(配当)を受ける権利
  • 株主総会で、議決権を使う権利(単元株以上を持っている場合)
  • 会社が決めている場合は、株主優待を受ける権利

株価は、会社の業績や、市場の需給などによって、上がったり下がったりします。元本を下回る可能性があります。

3. 配当金とは

JPXの用語集では、配当を次のように説明しています。会社は、営利目的の法人として、利益を獲得しています。株主は、持っている株の数に応じて、その利益の分配を受ける権利を持っています。分配された利益のことを、配当といいます。

配当は、必ずもらえるわけではない

日本証券業協会(J-FLEC)の説明では、配当金は、必ずもらえるものではありません。会社の利益の状況によって、あるかないか、増えるか減るかが決まります。

  • 年1回(本決算のあと)、または、中間も入れて年2回の会社が、多いとされています
  • 3月決算の会社は、通常、その2〜3か月後に、受け取れるとされています

金融庁の資料にも、「配当金は企業が得た利益を株主に分配するものであり、企業の判断によっては支払われない場合もあります」と書かれています。

配当利回りとは

JPXの用語集では、配当利回りを、「ある時点で株式へ投資した場合の投資資金と、それが1年間に生むと期待される配当金との比率」と説明しています。

仮の数字で、考えてみましょう。実在の会社の数字ではありません。

  • 株価:2,000円
  • 1年間に期待される1株あたりの配当:60円
  • 配当利回り:60円 ÷ 2,000円 × 100 = 3%

配当利回りは、投資判断の指標のひとつです。ただし、「期待される」配当をもとにした数字なので、実際の配当は、変わることがあります。また、株価が変われば、同じ配当でも、利回りは変わります。

配当性向とは

配当性向は、会社が、税引後の利益(当期純利益)のうち、どれだけを配当に回したかを示す指標です。JPXの用語集の式は、次のとおりです。

配当性向(%)= 1株あたり配当額 ÷ 1株あたり当期純利益 × 100

たとえば、1株あたりの当期純利益が100円で、配当が30円なら、配当性向は30%です(仮の数字)。

4. 株主優待とは

JPXの用語集では、株主優待を、「企業が、自社や自社製品・サービスの知名度向上、個人株主の安定化等を目的に、株主に対して配当とは別に、自社製品やサービスを無料でプレゼントする制度」と説明しています。JPXは、「諸外国ではほとんど行われておらず、日本企業独特の施策」とも説明しています。

知っておきたい点

  • 株主優待は、会社が任意で導入している制度です。ない会社もあります
  • 優待を受けるには、会社が定める「株主優待の割当日」に、株主名簿に記載されている必要があります
  • 割当日と、配当の権利確定日が、異なる会社もあります
  • 内容や、必要な株数は、会社ごとに違います。会社の案内で確認してください

税金とNISAについて

国税庁の確定申告書等作成コーナーのQ&Aには、「株主優待を受け取った場合は雑所得に該当します」という記載があります(令和元年7月1日現在の法令等にもとづく説明。古い時点の説明で、最新の取り扱いは、確認できていません)。また、所得税基本通達には、株主優待乗車券・入場券などについて、配当等には含まれないという趣旨の扱いが書かれています。

ただし、NISA口座で買った株の株主優待が、どう扱われるかを直接説明した、金融庁・国税庁・日本証券業協会の資料は、確認できませんでした。そのため、この記事では、NISAと株主優待の税金の関係は、書きません。気になる場合は、税務署や、国税庁の案内で、確認してください。

5. 売買単位(単元株)

100株が基本

株には、売買の単位があります。各会社が、定款で定めた「単元株式数」が、売買単位です。JPXの説明では、東証に上場している内国株の売買単位は、100株です。東証は、売買単位を100株に統一する取り組みを進め、2018年10月1日に統一しました。

「1単元の株式の数に相当する株式につき、1つの議決権」という決まりがあります。

単元未満株

1単元に満たない株式(単元未満株)は、議決権の存在を前提とする権利を除いて、基本的には、1単元以上の株式と同様の権利があります(JPXの説明)。単元未満株の買い方は、証券会社によって違うため、取り扱いを確認してください。

買うのに必要な金額

買うのに必要な金額は、株価 × 売買単位です。仮の数字で、確認しましょう。

  • 株価:1,500円、売買単位:100株
  • 必要な金額:1,500円 × 100株 = 15万円(手数料を除く)

株価が同じでも、売買単位が違えば、必要な金額も変わります。

6. 配当をもらうには:権利付最終日と権利確定日

3つの日の関係

配当を受け取るには、権利確定日に、株主名簿に載っている必要があります。日本証券業協会の説明は、次のとおりです。

  • 権利確定日の2営業日前が、権利付最終日
  • 権利確定日の1営業日前が、権利落ち日
配当をもらうための、日の流れ

配当を受け取るには、権利付最終日までに、買いの約定が成立している必要があります。権利落ち日に買っても、その期の配当を受け取る権利は、得られません。

なぜ2営業日前なのか

株式の売買は、約定日(売買が成立した日)を含めて3営業日目に、株と代金を受け渡します(T+2)。2019年7月16日の約定分から、この3営業日目になりました(それ以前は4営業日目)。

権利付最終日は、権利確定日の2営業日前です。売買の受渡しが、約定日を含めて3営業日目(T+2)なので、この関係になります(日本証券業協会の説明)。

T+1の検討について

受渡しをさらに短くする「T+1化」は、金融庁や東証などが検討しており、2025年7月に、中間整理が公表されています。ただし、実施時期を決めた公式の資料は、確認できませんでした。現在は、T+2です。

配当落ちとは

日本証券業協会の説明では、権利落ち日になると、理論的には、配当相当額の分だけ、株価が下がるとされています。ただし、株価は、ほかの要因にも左右されるため、実際は、その通りに動くとは限りません。

7. 指標の意味:PER・PBR・ROE

JPXの用語集に載っている、指標の定義を整理します。ここでは、「割安」「割高」といった判断はしません。意味と、計算の仕方だけを説明します。

PER(株価収益率)

PER = 株価 ÷ 1株あたり当期純利益

株価が、1株あたりの当期純利益の何倍まで買われているかを示します。

仮の数字:株価1,500円、1株あたり当期純利益100円なら、PERは15倍です。

PBR(株価純資産倍率)

PBR = 株価 ÷ 1株あたり純資産

株価が、1株あたりの純資産の何倍まで買われているかを示します。PERは、株価と「利益」、PBRは、株価と「会社の持つ資産(株主資本)」の関係を表します。

仮の数字:株価1,000円、1株あたり純資産800円なら、PBRは1.25倍です。

ROE(自己資本当期純利益率)

ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本(前期と当期の平均)

JPXの用語集では、純資産から一部(株式引受権、新株予約権、非支配株主持分)を除いた自己資本を元手として、1年間で、どれだけの利益をあげたかを見る、経営効率の指標とされています。

仮の数字:当期純利益10億円、自己資本の平均100億円なら、ROEは10%です。

指標を見るときの注意

  • 指標は、ある時点の数字です。決算や株価で、変わります
  • 1つの数字だけで、会社を判断することは、できません
  • 同じ業種でも、会社の事業の形によって、数字の水準は違います
  • 数字が「高い」「低い」ことと、「良い」「悪い」ことは、同じではありません

8. 買う前に、確認すること

  1. 1会社の事業内容(何をして、利益を出しているか)
  2. 2配当の方針と、これまでの配当の推移(会社の公表資料)
  3. 3株価と、買うのに必要な金額(売買単位を含む)
  4. 4株主優待がある場合は、割当日と、必要な株数
  5. 5成長投資枠の年間上限(240万円)の中に、収まるか(記事25)

9. よくある質問

配当利回りが高い株は、有利ですか?

配当利回りは、株価と配当の比率です。株価が下がっても、利回りは高く見えます。配当は、会社の判断で、減ることも、なくなることもあります。高い・低いだけで、有利か不利かは、決まりません。

株主優待は、NISA口座で買った株でも、もらえますか?

優待の有無や内容は、会社ごとに決まります。NISA口座かどうかの、取り扱いや税金の扱いは、確認できていません。会社や証券会社の案内で、確認してください。

100株は、高くて買えません。少額で買う方法はありますか?

単元未満株などの方法を取り扱う証券会社が、あります。取り扱いや手数料は、証券会社ごとに違います。

10. まとめ

  • 配当は、会社の利益の分配。必ずもらえるものではない
  • 配当利回りは、株価に対する、1年間に期待される配当の比率。実際の配当は変わる
  • 株主優待は、会社が任意で行う制度。NISAでの税金の扱いは、確認できていない
  • 売買単位は、東証の内国株で100株(2018年10月1日に統一)
  • 配当を受け取るには、権利付最終日(権利確定日の2営業日前)までに、買いの約定が必要
  • PER・PBR・ROEは、意味と計算式を知る指標。それだけで、良し悪しは決まらない

次の記事27では、ETFの仕組みと、投資信託との違いを説明します。

※この記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品をおすすめするものではありません。投資の判断はご自身で行ってください。制度の最新の内容は、金融庁・国税庁の案内で確認してください。 内容は2026年11月時点の情報です。