1. この記事でわかること
- つみたて投資枠・成長投資枠で、買えるものの範囲
- NISAで買えないもの(対象外)
- 対象商品かどうかを、自分で調べる方法
- NISA口座でできない取引

NISAなら、何でも買えるわけじゃないんだよね?

そう。対象になる商品には、決まりがあるんだ。どんなものが買えて、どんなものが買えないのか、整理しよう。
2. 買える商品は、枠によって違う
NISA口座で買える商品は、つみたて投資枠と成長投資枠で、範囲が違います。まず、全体像を表で見ましょう。
| 商品の種類 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 公募株式投資信託 | 条件を満たしたものだけ | 一部を除いて対象 |
| ETF(上場投資信託) | 条件を満たしたものだけ | 対象 |
| 上場株式 | 対象外 | 対象 |
| 上場REIT(不動産投資信託) | 対象外 | 対象 |
| 公社債・公社債投資信託 | 対象外 | 対象外 |

つみたて投資枠は、対象が「国の条件を満たした、長期の積立・分散投資に向いた商品」に絞られています。成長投資枠は、それより幅広く、個別の上場株式なども含まれます。
3. つみたて投資枠の対象商品
つみたて投資枠で買えるのは、ETF(国外に上場しているものを含む)と、公募株式投資信託のうち、長期の積立・分散投資に適した、一定の商品性を持つものです。金融庁の案内などでは、次のような条件が示されています。
- 信託契約の期間が、無期限または20年以上であること
- ヘッジなどの目的を除いて、デリバティブ取引による運用を行わないこと
- 毎月分配型ではないこと
- 連動する指数や、手数料の水準などが、国の決めた要件に当てはまること
また、買い方は、累積投資契約に基づく積立に限られます。
一覧は、金融庁のサイトで見られる
対象商品の一覧は、金融庁のNISA特設ウェブサイトで、公開されています。商品の数や、内容は、更新されていくので、買う前に、最新の一覧を確認することが大切です。
対象にならないもの
つみたて投資枠で、買えない(受け入れられない)ものは、次のとおりです。
- 上場株式
- 上場REIT
- 毎月分配型の公募株式投資信託
- 公社債、公社債投資信託
(2026年11月時点の、日本証券業協会の案内による。令和8年度の税制改正大綱には、対象を広げる内容も盛り込まれていますが、実施は確認できていません)
4. 成長投資枠の対象商品
成長投資枠で買えるのは、次のような商品です。
- 上場株式(国外の取引所に上場しているものも含む)
- ETF
- 上場REIT
- 公募株式投資信託
対象外の商品
成長投資枠でも、次のものは対象になりません。金融庁の案内では、このように示されています。
- 整理・監理銘柄に指定されている株式
- 信託期間が20年未満の投資信託
- 毎月分配型の投資信託
- デリバティブ取引を用いた、一定の投資信託
- 公社債、公社債投資信託
「成長投資枠なら、何でも買える」わけではありません。商品によっては、対象外のことがあるので、買う前に、対象かどうかを確認する必要があります。
5. NISAでは買えないもの
NISA口座の対象にならない、代表的なものを、まとめます。
| 種類 | 理由・補足 |
|---|---|
| 預金 | 対象の商品に含まれていない |
| 国債・社債そのもの | 公社債は、NISAの対象外 |
| 公社債投資信託 | 対象外 |
| 整理・監理銘柄の株式 | 成長投資枠の除外対象 |
| 毎月分配型の投資信託 | どちらの枠でも対象外 |
これらを投資したい場合は、NISA口座ではなく、特定口座などの課税口座で取引することになります。その場合、利益や配当には、通常の税金がかかります。
6. NISA口座でできない取引
商品の範囲のほかに、取引の方法にも制限があります。日本証券業協会の案内では、次の点が示されています。
- 信用取引はできません。信用取引で現引きした株式も、NISA口座には受け入れられません
- すでに特定口座や、一般口座で持っている商品を、NISA口座に移すことはできません
NISAの枠で投資するには、NISA口座で、新しく買う必要があります。
7. 対象商品の種類を、かんたんに説明
名前だけ並べられても、イメージしにくいので、それぞれの商品を、ひとことで説明します。くわしくは、第4章・第5章で扱います。
| 商品 | ひとことで言うと |
|---|---|
| 上場株式 | 会社の持ち分。証券取引所で、売り買いされる。値段は、日々変わる |
| 投資信託 | 多くの人のお金をまとめて、専門家が、株や債券などに分散して運用する商品 |
| ETF | 証券取引所に上場している投資信託。株と同じように、取引時間中に売買できる |
| REIT(不動産投資信託) | 多くの人のお金で不動産に投資し、賃料などの収益を分配する仕組み |
どれも、値動きがあり、元本が減る可能性があります。NISAの対象になることと、安全であることは、別の話です。
8. 「対象商品」の意味を、誤解しない
つみたて投資枠の対象商品は、「国の定めた条件に当てはまる商品」です。ただし、これは次のことを意味しません。
- 値下がりしないこと
- 将来の成果が、約束されていること
- 自分の目的や、許容度に、合っていること
条件は、長期の積立・分散投資に向いた商品の性質(信託期間や、手数料の水準、商品の仕組みなど)を決めたものです。リスクは、通常の投資信託と同じように、残っています。
9. 目論見書で確認したいこと
対象かどうかは、金融庁の一覧や金融機関で確認します。そのうえで、目論見書で、商品の性質を確かめられます。見るとよい項目を、挙げます。
- 信託期間:無期限か、期限があるか。つみたて投資枠の条件に関わる
- 分配の方針:毎月分配型でないか。分配金の出し方
- 運用の方針:どんな資産に、どのように投資するか
- 投資リスク:どんなときに、値下がりしやすいか
- 費用:購入時の手数料、運用中にかかる費用(信託報酬など)
目論見書は、運用会社や、金融機関のサイトで、見られます。自分で読んで、納得してから買う習慣をつけましょう。
10. 買う前の、確認チェックリスト
次の項目を、順番に確認してみましょう。
- 買いたい商品は、つみたて投資枠・成長投資枠の、どちらの対象か
- 毎月分配型や、信託期間が20年未満の投資信託ではないか
- 整理・監理銘柄に、指定されていないか
- 利用する金融機関で、取り扱いがあるか
- 年間の投資枠に、まだ余りがあるか
- 仕組みと、リスクを、説明できるか
全部に「はい」と答えられてから、買うのが基本です。
11. 対象外のものを買いたいときは
NISAの対象外の商品に、投資したいこともあります。その場合は、次の点を考えます。
- NISA口座ではなく、特定口座などの課税口座を使う
- 利益や配当には、通常の税金(約20.315%)がかかる
- 損が出たときは、課税口座の他の利益と、損益通算できる場合がある
つまり、NISAは、投資のすべてを、非課税にするものではありません。NISAの枠と、課税口座を、使い分けることも、あります。
12. 同じ商品でも、対象かどうかは違う
「投資信託」という名前でも、すべてがNISAの対象になるわけではありません。同じ運用会社の、似た名前の商品でも、対象の商品と、対象外の商品があります。
また、日本証券業協会の案内では、商品が対象かどうかは商品ごとに異なるので、証券会社に確認するよう、案内されています。名前だけで判断せず、必ず、対象かどうかを確かめるようにしましょう。
13. 対象かどうかを調べる方法
調べる手順は、次のとおりです。
- 1金融庁の対象商品の一覧を見る:つみたて投資枠の対象は、一覧で確認できる
- 2利用する金融機関のサイトで、商品ページを見る:「つみたて投資枠対象」「成長投資枠対象」などの表示がある
- 3目論見書を読む:商品の仕組みや、リスクが書かれている。信託期間や、分配の頻度も確認できる
- 4わからなければ、金融機関に問い合わせる:購入前に、確認しておく
金融機関のサイトの表示は、その金融機関で取り扱っている商品に限られます。同じ商品でも、取り扱いがない金融機関もあります。
14. 買える商品の中から、どう選ぶか
対象商品の範囲を知ったあと、「何を選ぶか」は、また別の問題です。この連載では、特定の商品をおすすめしません。商品選びで、一般的に見るポイントは、次のとおりです。
- 自分の目的と期間に合っているか
- 値動きの大きさが、自分の許容度を超えていないか
- コスト(手数料)は、どのくらいか
- 仕組みを、自分の言葉で説明できるか
商品の選び方は、第4章(投資信託)と、第5章(成長投資枠)で、くわしく説明します。
15. 対象商品を、種類ごとに整理しなおす
ここまでの内容を、「買いたいもの」から逆引きできる形で、まとめます。
| 買いたいもの | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 条件を満たした投資信託 | 買える | 買える |
| 毎月分配型の投資信託 | 買えない | 買えない |
| 個別の上場株式 | 買えない | 買える |
| ETF(条件を満たしたもの) | 買える | 買える |
| 上場REIT | 買えない | 買える |
| 債券・預金 | 買えない | 買えない |
この表は、2026年11月時点の、金融庁・日本証券業協会の案内を、簡単にまとめたものです。条件の細かい部分や、例外は、最新の案内で確認してください。
16. 「買えるか」と「買うべきか」は別の問題
対象商品の一覧を見ると、「買える商品の中から、選ばなければ」と思いがちです。しかし、対象になっていることと、自分に合うことは、別です。
- 買える商品が多くても、すべてに投資する必要はない
- 理解できない商品は、買わないという選択もある
- 対象外の商品に投資したいときは、課税口座を使う方法もある
この連載では、特定の商品の良し悪しは、取り上げません。自分の目的と、許容度に、合うかどうかを、自分で考える材料を、お伝えします。
17. よくある質問
NISAの対象商品は、変わることがありますか?
あります。たとえば、令和8年度(2026年度)の税制改正大綱では、つみたて投資枠の対象商品の拡充についても触れられていました。ただし、実施の時期や内容は、確定した情報を、金融庁の案内で確認してください。
ビットコインなどの暗号資産は、NISAで買えますか?
この記事の確認範囲では、NISAの対象として案内されている商品に、暗号資産は含まれていません。暗号資産の扱いは、別のシリーズで説明しています。
投資信託の「毎月分配型」とは何ですか?
毎月、運用の成果の一部を、分配金として払い出すタイプの投資信託です。つみたて投資枠・成長投資枠のどちらでも、対象外とされています。
対象商品が、あとから対象外になることはありますか?
たとえば、成長投資枠の株式が、整理・監理銘柄に指定された場合などの扱いは、日本証券業協会の案内に規定があります。該当する場合は、金融機関の案内を確認してください。
18. 商品の情報は、更新される
対象商品の一覧は、新しい商品の追加や、条件の変更によって、更新されていきます。たとえば、新しく対象に加わる商品もあります。
そのため、購入の前に、そのときの最新の情報を確認する習慣をつけましょう。記事で見た情報を、そのまま信じず、公式の一覧で、確かめてください。
19. まとめ
- つみたて投資枠は、条件を満たした投資信託・ETFだけ。成長投資枠は、上場株式・ETF・REIT・投資信託など幅広いが、除外される商品もある
- 預金、国債・社債、公社債投資信託は、NISAの対象外
- 信用取引はできず、すでに持っている商品を、NISA口座に移すこともできない
- 対象かどうかは、金融庁の一覧や、金融機関の案内で、買う前に確認する
次は「非課税のメリットを数字で理解する」へ。
※この記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品をおすすめするものではありません。投資の判断はご自身で行ってください。制度の最新の内容は、金融庁・国税庁の案内で確認してください。 内容は2026年11月時点の情報です。

