成長投資枠で買えるもの|株・ETF・REIT・投資信託と、対象外のもの

成長投資枠で買えるもの|株・ETF・REIT・投資信託と、対象外のもの

1. この記事でわかること

  • 成長投資枠で買える商品の種類
  • 買えないもの(対象外)と、その決まり
  • 外国の株式やETFは、買えるのか
  • 買う前に確認する場所
Mikikko
Mikikko

つみたて投資枠は、買える商品が限られていたよね。成長投資枠は、何でも買えるの?

Muttakko
Muttakko

「何でも」ではないんだ。つみたて投資枠より、買える商品の幅は広いけれど、対象外のものも決まっているよ。順番に、整理していこう。

2. 成長投資枠は「上場株式や投資信託など」が対象

成長投資枠は、年間240万円まで使える、NISAの投資枠です(第2章)。日本証券業協会の説明では、成長投資枠の対象商品は、次のとおりです。

  • 証券取引所に上場している株式
  • ETF(上場投資信託)
  • 上場しているREIT(不動産投資信託)
  • 公募株式投資信託など

つみたて投資枠は、金融庁の条件を満たして届出された商品だけでした(記事19)。成長投資枠は、それよりも対象の幅が広く、個別の株式も買えるのが大きな違いです。

成長投資枠で買えるもの・買えないもの

3. 商品ごとの、買える・買えないの早見表

国税庁のパンフレットにある、主な金融商品の表を整理すると、次のとおりです。

商品成長投資枠つみたて投資枠
上場株式○×
ETF○○(一部のみ)
公募株式投資信託○○(条件を満たしたもの)
REIT○×
国債・地方債などの特定公社債××
公募公社債投資信託××

つみたて投資枠で買えるのは、金融庁の一覧に載った、ごく一部のETFや投資信託です。上場株式やREITは、成長投資枠でだけ買えます。

銀行や郵便局では、買える範囲が狭い

日本証券業協会の説明では、証券会社では、上場株式、ETF、上場REIT、公募株式投資信託などに投資できます。一方、銀行や郵便局などでは、公募株式投資信託に投資できるとされています。上場株式や、一部の投資信託は、証券会社でNISA口座を開設した場合にだけ、買えます。

NISA口座を、どの金融機関で開くかによって、買える商品の幅が変わります(記事14)。

4. 対象外になるもの

成長投資枠でも、買えない商品が、決まっています。

株式などで対象外になるもの

  • 整理銘柄:上場廃止となることが決まっている銘柄
  • 監理銘柄:上場廃止の基準に該当するおそれがある銘柄

投資信託などで対象外になるもの

  • 信託期間が20年未満のもの
  • ヘッジ(損失への備え)などの目的以外で、デリバティブ取引(先物やオプションなど)を使って運用する、と約款に定められているもの
  • 毎月分配型のもの

国税庁の説明では、これらは「など」と書かれていて、対象外のものが、これだけとは限りません。

債券は、成長投資枠では買えない

日本証券業協会は、公社債や公社債投資信託は、受け入れることができないと説明しています。国債や社債そのものも、対象外です。

ここで、混同しやすい点があります。第4章(記事19)で見たとおり、2026年4月から、つみたて投資枠では、債券を含む投資信託が対象になりました。これは、つみたて投資枠の話です。成長投資枠の対象商品の決まりは、今回の改正では、変わっていません(金融庁の新旧対照表で確認)。

「高レバレッジ型」という言葉について

国税庁の2024年1月時点のパンフレットには、「高レバレッジ投資信託などの商品は、対象から除かれています」という書き方があります。ただ、どこからが高レバレッジなのか(倍率など)を示した公式の資料は、確認できませんでした。

法令やJSDAの表現は、「ヘッジ目的など一定の目的以外で、デリバティブ取引に係る権利への投資として運用を行う旨が約款にある投資信託」です。個別の商品が対象になるかどうかは、後で紹介する、資産運用業協会のリストや、証券会社で確認してください。

5. そのほかの、知っておきたい決まり

信用取引は、使えない

NISA口座では、信用取引はできません。信用取引の「現引き」で取得した上場株式等も、成長投資枠に受け入れられません。保有している株を、信用取引の担保(代用有価証券)にしたり、現渡しに使ったりした場合は、その時の時価で、NISA口座から払い出されたものとして扱われます。

従業員持株会の株は、移せない

従業員持株会で取得した上場株式等を、成長投資枠に移管することはできません。

保有中に対象外になっても、持ち続けられる

すでに成長投資枠で持っている株が、あとから監理銘柄や整理銘柄になって、対象外になった場合でも、引き続き成長投資枠で保有できます(日本証券業協会)。ただし、新たに買うことはできません。

6. 外国の株式やETFは、買えるのか

日本証券業協会は、成長投資枠で受け入れられる商品について、「上場には、国外の取引所に上場しているものも含みます」と説明しています。そのため、外国の取引所に上場している株式やETFも、対象になりえます。

ただし、次の点に、注意してください。

  • 対象になるかどうかは、商品ごとに異なります。日本証券業協会も、証券会社に確認するよう案内しています。
  • 外貨で買う場合、年間投資枠の計算には、約定日の為替レート(対顧客直物電信売相場)で、円に換算した金額が使われます。購入手数料などは含まれません。
  • 外国の株式やETFから受け取る配当には、外国の税金がかかる場合があります。くわしくは、記事29で説明します。
  • 取り扱っているかどうかは、証券会社によって違います。

7. 受け入れられる商品の例(日本証券業協会)

日本証券業協会の説明にある、成長投資枠で受け入れられる商品の例は、次のとおりです。

  • 上場株式
  • 上場新株予約権付社債
  • 上場優先出資証券
  • ETF
  • 上場REIT
  • 公募株式投資信託
  • 外国籍の公募株式投資信託
  • ETN(上場しているETN)

成長投資枠の中で、株式の分割や併合によって取得したものも、受け入れられます。

8. 年間の上限と、買い方

成長投資枠の上限は、これまでの章と同じです。

項目内容
年間投資枠240万円
非課税保有限度額1,200万円(1,800万円の内数)
対象年齢18歳以上
買い方特に制限なし(一括でも、積立でも可)

成長投資枠のみを使う場合の上限は、1,200万円(簿価)です。つみたて投資枠と合わせた総額は、1,800万円です。

成長投資枠は、一括でも、積立形式でも、買えます。ただし、積立形式で買えるかどうかは、金融機関によって違います(記事17)。

9. 対象商品を、確認する場所

買う前に、対象になっているかを確認する場所が、あります。

  1. 1資産運用業協会のサイト:成長投資枠で買える投資信託(非上場)と、ETF・REIT(上場)の、対象商品リストを公表しています。2026年10月30日に更新されています。
  2. 2証券会社の商品ページや画面:その証券会社で、成長投資枠として買えるかを表示しています。
  3. 3目論見書:投資信託の場合は、信託期間や、分配の方針などを確認できます(記事20)。

資産運用業協会のリストには、すでに持っている分は、継続して保有できるが、新しく買うことはできない場合がある、という注記もあります。

10. 2026年・2027年の変更について

実施済み:2026年4月の改正

2026年4月1日から適用された告示の改正は、つみたて投資枠の条件に関するものです(対象指数の追加、債券を含む投資信託の追加など)。成長投資枠の対象商品の範囲は、改正されていません。

予定:2027年から

つみたて投資枠の年齢要件がなくなり、0〜17歳でも、NISA口座が使えるようになる予定です。この口座では、つみたて投資枠だけが使え、成長投資枠はありません。これは予定で、すでに始まったことではありません。

令和8年度の税制改正大綱の金融庁資料にも、成長投資枠の変更は、確認できませんでした(年間投資枠240万円、対象は上場株式・投資信託等、対象年齢18歳以上と、現行のとおり)。最新の内容は、金融庁・国税庁の案内で確認してください。

11. 買う前の、確認の順番

  1. 1買いたい商品の種類を確認する(株式、ETF、REIT、投資信託)
  2. 2対象外のもの(整理・監理銘柄、毎月分配型、公社債など)に当たらないか確認する
  3. 3自分の金融機関で、NISAの成長投資枠として買えるかを確認する
  4. 4外国の商品なら、取り扱いと、税金の扱いを確認する
  5. 5年間投資枠(240万円)と、非課税保有限度額(1,200万円)の、残りを確認する

12. よくある質問

個別の株式は、つみたて投資枠で買えますか?

いいえ。上場株式は、成長投資枠でだけ買えます。

債券は、NISAで買えませんか?

成長投資枠では、公社債や公社債投資信託は、対象外です。つみたて投資枠では、2026年4月から、債券を含む投資信託が対象になりました。

買った株が、あとから上場廃止になりそうになったら?

監理銘柄や整理銘柄になって対象外になっても、すでに持っている分は、引き続き成長投資枠で保有できます。新しくは買えません。

外国の株は、全部買えますか?

対象になるかは、商品ごとに違います。証券会社の取り扱いも違うので、買う前に、証券会社で確認してください。

13. まとめ

  • 成長投資枠の対象は、上場株式、ETF、REIT、公募株式投資信託など
  • 整理・監理銘柄、信託期間20年未満、毎月分配型、デリバティブ取引を用いた一定の投資信託、公社債は、対象外
  • 「高レバレッジ型」の線引きは、公式資料では確認できなかった。個別の商品は、資産運用業協会のリストや証券会社で確認する
  • 外国の取引所に上場している商品も、対象になりうる。ただし商品ごとに異なる
  • 年間240万円、非課税保有限度額は1,200万円(1,800万円の内数)
  • 2026年4月の改正は、つみたて投資枠のもの。成長投資枠の対象商品の決まりは、変わっていない
  • 信用取引は使えない

次の記事26では、個別株の基礎として、配当・株主優待・指標の見方を説明します。

※この記事は情報提供を目的としたもので、特定の商品をおすすめするものではありません。投資の判断はご自身で行ってください。制度の最新の内容は、金融庁・国税庁の案内で確認してください。 内容は2026年11月時点の情報です。